問題点

  • ADR(事業再生)から代物弁済に移行したい被害者についてはどの時点で乗り換えが可能か。
  • スルガ銀行が税務当局を納得させるのに、ADRの判断だからと言う事で内諾を得ている。ADRを通さない直接の代物弁済の場合、国税局の債務免除益課税に対する見解は。逆にADRを通せば代物弁済でも、国税局の債務免除益課税もクリアー出来る?
  • 代物弁済だと信用情報機関にも履歴が登録されるのではないか。
  • 不法行為の内容によって代物弁済でも残債が残る可能性もあるのか。
  • ADRの元本カットも、代物弁済に相当するほどの対応を期待できるのか。
  • 採算が取れている被害者でも対象となるのか。
  • 購入年月日が古いユーザーでも対象となる場合があるのか。その線引きラインは?
  • 日本経済新聞記事にある棒引きした債権の入札及びサービサーの役割とは。
  • 合意契約書の清算条項の取り扱いは。
  • 金融庁行政命令(銀行法第26条第1項に基づく命令)との整合性は。

日経新聞

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日経新聞電子版2019/11/20 17:00

シェアハウス借金、物件手放せば帳消しへ スルガ銀が対策

 

スルガ銀行による不正な融資で過大な借り入れをしたシェアハウスの所有者が、物件を手放せば借金の返済を免除されることで調整が進むことが20日、分かった。同行のシェアハウス融資を巡っては返済に行き詰まる所有者との係争が続く。同行は創業家との資本関係を解消したのに続き、不正融資問題を解決して不祥事に区切りを付ける。

 

関係者によると、スルガ銀はシェアハウス向けの債権を第三者に売却するための入札手続きを始めたもようだ。投資ファンドなどが、転売可能な価格を見積もって応札する見通し。シェアハウスの所有者が土地と建物を物納すれば、借金の返済をなくすことを債権売却の条件としている。

 

借り入れには自己責任が伴うものの、スルガ銀による書類の改ざんなどで身の丈を超える借り入れをした人は多い。スルガ銀は被害者補償の観点で物納を受け入れるようだ。ハウスの運営を続けたい所有者は対象外だ。

 

スルガ銀による不正融資で借り入れをした所有者は会社員が多く、返済に行き詰まっている。

 

スルガ銀の融資トラブルを巡っては、所有者に家賃保証をする転貸業者(サブリース業者)が昨年1月に突然、賃料の支払いを止めて経営破綻した。介在していた不動産販売業者は周辺相場を大幅に上回る価格で立地条件の悪い物件を販売していた。

 

スルガ銀のシェアハウス向け融資の残高は2019年9月末時点で1992億円で、所有者数は1200人強にのぼる。債権売却に伴いスルガ銀には損失が出るが、すでに19年3月期に多額の貸倒引当金を計上しているため追加的な財務負担は限られる見通し。

 

スルガ銀ではシェアハウスを含む投資用不動産向け融資で、審査書類の改ざんや契約書の偽造といった不正行為がまん延していた。旧経営陣は責任をとって辞任し、不動産融資に過度に傾斜した事業モデルの転換を進めている。シェアハウス所有者とのトラブルを解決することで、不祥事対応に区切りをつけ、経営再建を進めたい考えだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本経済新聞 電子版2019/11/21 5:00日本経済新聞 電子版

スルガ銀行、異例の借金帳消し シェアハウス問題優先

 

スルガ銀行は融資時に不正行為がまん延していたシェアハウスの所有者を対象に融資を帳消しにする異例の対応をとる方向になった。物件の返却と借金の帳消しは所有者側が求めていた。スルガ銀行は一連の不正融資が発覚した後、経営陣を刷新し、筆頭株主も創業家から家電量販大手のノジマに代わった。再スタートに向け、難題だったシェアハウスの最終的な決着を急ぐ。

 

「シェアハウスと創業家の問題の解決なしにスルガ銀行の再生はない」。6月に外部から招かれて副社長に就いた嵯峨行介氏は7月の日本経済新聞のインタビューでこう述べ、早期解決をめざす姿勢を強調していた。

 

まず動いたのは一連の不正融資を許し、企業統治不全の象徴とされた創業家との決別だった。創業家出身の前会長は昨年9月に引責辞任したが、創業家のファミリー企業が約13%のスルガ銀株を持つ筆頭株主であることに変わりはなかった。ただ、この10月には創業家が全株をノジマに売却し、筆頭株主が交代した。焦げ付いていた約450億円のファミリー企業向け融資も返済のメドがついた。

 

残るもう一つの課題がシェアハウスだった。投資用不動産全般で審査書類の改ざんや契約書の偽造といった不正行為が発覚する発端となった。約1000億円の最終赤字を出した19年3月期に多額の貸倒引当金を計上。財務的な手当てはほぼ済んでいるが、シェアハウス所有者とのトラブルを抱え続けていては経営再生はおぼつかない。

 

昨年10月、スルガ銀行に6カ月間の一部業務停止を含めた業務改善命令を出した金融庁も、創業家との関係解消と「債務者への適切な対応」を求めていた。シェアハウス所有者の借金を事実上、帳消しにする異例の対応に踏み切る背景には、一連の不祥事に伴う「負の遺産」の処理に区切りをつけたいというスルガ銀行新経営陣の意図が透けて見える。

 

スルガ銀行の対応は、審査書類を改ざんし、詐欺的スキームでの融資は不当として物件の返却(代物弁済)による借金の帳消しを求めてきた所有者側の主張に沿うものだ。ある所有者側の関係者は20日「このまま話がよい方向に進むかまだ楽観できない」としつつも期待感を示した。

 

1990年代後半から2000年代前半の日本の金融危機時。建設・不動産・流通・ノンバンクといった業種で経営難に陥った企業を対象に大手銀行は巨額の貸付債権を棒引きした。ただ、自己破産など法的に破綻したわけではない多くの個人について、借金を一斉に棒引きするのは日本の金融史でも異例の出来事といえる。

 

当然ながら、アパートやマンションの賃貸用不動産を経営している普通の人が、空室率の上昇や家賃保証の切り下げを理由に同じような借金帳消しの措置を求めても銀行はほとんど認めない。スルガ銀行は経営再建を軌道にのせて、今回の異例の措置が長期的に経営の安定につながるということを示す必要がある。

 

スルガ銀行は14日、投資用不動産向け融資を引き続き柱に据えつつも、新規融資を大幅に絞る中期経営計画を発表した。まず身をかがめる姿勢を鮮明にしたが、これからどうやって稼いでいくかは見通せない。再建に向けた本当の正念場は、負の遺産を処理し「マイナス圏」から脱却するこれから迎えることになる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・